あいさつ | 超高強度場グループ

あいさつ

藤岡慎介 (2017年3月30日撮影)

 当グループは大阪大学大学院理学研究科物理学専攻の協力講座です.理学研究科物理学専攻の素粒子・原子核物理実験グループ(A1グループ)に属しています.大エネルギー高強度レーザーで発生させた超高強度な電場・磁場・輻射場等を用いた,高エネルギー密度プラズマ科学及びレーザー核融合プラズマに関する研究を担当しています.

 研究の柱の一つは,超高強レーザー電磁場によるレーザー核融合燃料の加熱です.当研究所で研究している高速点火方式では,工場サイズの大エネルギー・レーザー激光XII号を用いて,核融合燃料を高密度に圧縮し,高強度レーザーLFEXでこの燃料を瞬間的に,核融合点火に必要な5千万度以上まで加熱します.ミクロスケール及びマクロスケールのプラズマのダイナミクスが生み出す電磁場と,入射と反射電磁場の干渉によって形成される乱れた電磁場構造等が複雑に絡み合った現象を扱います.緻密な実験と精密なシミュレーションを駆使して,この複雑な現象にある本質を見極め,目標達成に向かって進んでいきます.

 更に,高強度場を利用した宇宙物理研究,核科学等,極限プラズマ科学及び超高強度場科学の新分野開拓を行っていいます.ブラックホール周辺で観測される光電離プラズマ現象を実験室内での観測,Warm Dense Matterと呼ばれる固体・液体とプラズマの境界にある物質の電磁波特性を測定,電磁場乱流が作る無衝突衝撃波の形成と粒子加速,高エネルギー密度プラズマ中での磁気リコネクションと粒子加速,多段衝撃波による物質の超高密度圧縮とそれに伴う流体不安定性,高エネルギー密度内部で起こる核反応計測など,自ら研究対象に枠を設けるようなことはせず,その時々に興味があり,重要なことに積極的に挑戦するという方針です.

(2017.4.1現在)当グループの教員は,藤岡慎介,有川安信とAlessio Moraceの3名です.当グループが所属しているレーザー科学研究所には50名近い教職員と,100名近い学生が在籍しています.更に,国内外の研究者との共同研究を進めており,多様な先生,仲間,研究者,技術者との交流,協力,議論など,大学でしか味わえない貴重な体験を通じて,大きな成長と飛躍を目指しましょう.