2025.8.1
プラズマ・核融合学会誌の7月号では、最新のEUV(極端紫外線)リソグラフィ技術を総括する特集が組まれています。
本特集では、半導体製造プロセスの次世代化を支えるEUV光源の開発と課題に焦点を当て、材料科学からプラズマ物理まで幅広い視点で論考が集められています。
その中で、田中さんは国際共同研究による錫(Sn)コンタミネーション評価に関する記事を寄稿しています。本研究は、Samsung との共同プロジェクトを通じて得られた詳細データを基に、EUV光源における錫プラズマの生成メカニズムと、光学素子への微量付着が露光性能に及ぼす影響を体系的に解析したものです。実験では、時間分解分光計測と表面分析を組み合わせ、錫蒸発・プラズマ化過程から鏡面への付着挙動までを高精度で追跡しています。得られた知見は、EUV露光装置の稼働率向上や保守コスト低減に向けた実践的指針となることが期待されています。
EUVリソグラフィは、10 nm 世代を超える高集積デバイスの量産に不可欠な技術です。
本号の特集記事群は、光源設計・マスク材料・デブリ対策など多角的な課題解決の最新動向を提示しており、半導体製造とプラズマ科学の融合領域に携わる研究者・技術者にとって必読の内容となっています。